クビキリサイクル

次はコレかも

孤島で密室殺人で首切り死体
ミステリとしてはすごいアナクロ
トリックもありがちといえばありがち
オーソドックスなタイプのミステリ
普段からミステリ読まない人に勧めるにはいいカンジの「薄さ」だと思う
でもそうなるとキャラクターの「濃さ」がねー
しかしキャラクターを強く書きすぎていない
強く書きすぎるとオレのキライな「萌え」っつうものになるからな
 
でも面白い
飛びぬけて面白いというわけじゃないけど
 
それは作品がアニメ的というか
キャラクターの個性付がアニメ的だからだと思う
「天才」が5人出てくるんだけど
その特徴が画家、科学、占い、料理、技術
んでつまるところ天才=異常者であるので
5人の天才が何を考えているのかわからない
だからそれがミスであるのか天才であるが故の行動なのか分からないわけ
つまり殺人事件の異常性と彼女たちの異常性が被って見えるわけだ
それがまた一種妙な恐怖感を生んでいるんだと思う


 
そして作者の裏の書き方もうまい
まず伊吹かなみが殺される(第一の殺人)
コレは一見密室殺人で
孤島にには12人以外誰もいない
つまり「犯人はこの中に」状態
この時唯一アリバイがないのが園山赤音
この場合普通ならコイツが犯人だろうと思うけど
ミステリにおいては「一番怪しいやつは犯人じゃないの法則」
があるので(少なくともオレの脳内には)そうではないと思ってしまう
じゃあ誰かなー?
とか思ってると今度はその園山赤音が殺される(第二の殺人)
あーこっから先書いていいのかなー
めんどくせえ書いちゃお
コレも密室殺人で一見不可能に見える
でもこの時はアリバイのない者がほとんどなので
犯人の幅は広がる
そして主人公たち全員が園山赤音の死体をみている間に
第一の殺人現場を撮ってあったデジカメが
玖渚友の部屋で破壊される(第3の事件)
コレは10人が全員その場にいたので「絶対に」不可能なことである
10人しかいないのに11人目がいる
そこから主人公はこの事件を解決していく
えーどういうことよー
「完全にありえないことを取り除けば、
残ったものはいかにありそうにないことでも、事実に違いない」
ってことじゃねえのー?
11人目!!終了!!
とか思ったけどそんなわけねえしな
まあ殺されたと思った人が生きてたんだけど
そのための首切り
ありがちだよねー
そして紙一重でもある


 
しかし
それによって主人公がこの事件を解決することも
犯人にとって計算の内であり
主人公は騙されたまま帰ることになる
 
それにしても真伊吹かなみはすげーなぁ
ボロだしてねーもん
園山赤音はだしまくりなのに
「最高の演技というのは、役になりきること」
って言ってた人がいるけどな
なりきるってもんじゃねーだろ天才だぜ?
みたいな


 
そして同世代なら分かるネタ
「この味は嘘をついてる味だぜッ!」
みたいなのとか
(ちょっと違うけど多分コレが元ネタだと思う)
「首を落とされて生きている生物はいない」
アバン先生?
そういうオレと同年代のネタを入れてくるところもおもしろい
でもそれイコールオレより上もしくは下の年代には分からないということだろう
そういうのでニヤリとするってのも結構大事かもね